カハス散策記(2004年4月)   

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2018/05/24

カハス散策記(2004年4月)


カハス国立公園看板 カハス国立公園。(Parque nacional cajas) 標高約4000メートル。クエンカの西、約30kmに位置し25,544ヘクタールの領域に200以上の湖と湿原が広がる所らしい。私は既に1年以上クエンカに住んでいるのだが未だ行く機会に恵まれずこのまま行かないで日本に帰るかもしれないと思っていた。しかし、幸運な事に知り合いの日本人4人がカハスに行くと聞き付けなんとかメンバーに加えてもらい、やっとカハスの地を踏む事になったのである。

 待ち合わせはクエンカの南にある大きな銀行前に9:00。途中、おばちゃんからエクアドルに来て初めて宗教の勧誘を受けるがなんとか振り切って時間通りに到着する。既に全員揃っていた。
待ち合わせ場所今回のメンバーは2人は運動をしているので体が動きそう。更にその内の一人は日本で本格的に登山をしていたのでかなり強そう。他の2人も私と同じ位は動けそうな様子。エクアドルに来て一年強何もしていなかった私が一番ヤバイかも。ただし標高2600メートルでその期間生活したアドバンテージがどれ程の物か。
カハスに行くにはバスかタクシーを使う。バスだったら今いる場所場所からタクシーで約10分のバスターミナでカハス経由グアヤキル行きのバスを探さねばならない。(料金1.5ドル) タクシーならそこらに走っているのを捕まえれば良い。ただし値段が不明なのが怖い所ではある。話し合った結果15ドル以下ならタクシー。駄目ならバスに決定。スペイン語が一番マシ(?)なのは私なのでタクシーを捕まえ値段交渉を開める。
最初のタクシーには30ドルと言われ20ドルまで値切るが他のメンバーに15ドルとケツを叩かれる。5ドル位いいんじゃないのと思ったが見送り次のタクシーを捕まえる。今度は最初から20ドル。入口までで良いからと言い目標の15ドルへ到達。皆へ報告。座る場所を決めるため乗る前にじゃんけん。目標金額を達成したにも関わらずあっけなく敗れ狭い後部座席で4人で座る事になってしまった。
タクシーはオンボロの4ドアセダン。運転手も車と同じく年食ったおっさん。予想通り後部座席は狭い。みんな小さくなって座る。クエンカの町を出て道は上りになる。ボロ車でもぐんぐん登り約40分で公園入口へ到着する。

管理事務所タクシーを降り金を払う。天気は曇り、そして寒い。Tシャツしか着ていなかった人は早速上着を羽織る。管理事務所脇にトイレがあるので順番で用を足す。そして管理事務所へ。建物はレンガ造り瓦ぶきの平屋建てで小さい。管理人の中年の男が1人いて入場料を徴収している。他の4人は1人10ドル。私は日本大使館発行の身分証明書があるので1.5ドル。この落差に他の4人が何とかならないのというオーラを発していたので、なんとか値切れないか頑張ってみたが許可証が無いと値引きはできないの一点張り。結局皆に10ドル払ってもらいました。恐るべし外国人料金。入場料と引き換えに公園の地図を人数分受け取る。
もらった地図がなかなか立派。良い紙を使っていて片面にはカハスの概要や注意事項など。もう一面が地図が書かれている。1/8に折り畳まれていて広げるとA2サイズ(A4用紙8枚ってA2だよね?)になる。その地図を見る。広い。さすが25,544ヘクタール。どこへ向かうか登山経験者が決め私たちはそれに従った。
まず数キロ、舗装路を歩く。標高が上がったからだろうちょっと歩いただけでわずかに息苦しくなる。あまり急いで歩くとすぐにばててしまいそうなのでゆっくり歩く。雨が降ったり止んだりしながらてくてくと一時間強歩きやっと散策路の入口へ到着する。

正面に見えるのがこれから登るサンルイス山 散策路へ入る前に近くにある食堂で食事を済ませようと考えていたがこの日は営業していないとの事。仕方ないので出発しようかと話をしていたら近くにあるカハス資料館の人に声を掛けられ博物館を見ることに。そこには湖や敷地内に点在するインカの遺跡の写真などが展示されていた。博物館の目の前には湖があり湖の更に向こうには岩山が見える。その山はサンルイスと言うらしく頂上は4200メートルあるらしい。その説明を受けている間に登山経験者の目が光った事をこの時私は見逃していたのだった・・・
説明が終りこれからどうするかという話になる。私は最初無関心に聞いていた。話の方向が山に行っている事に気付いた時、既に山へ登る事が決まっていた。「あれ?そんなにハードな事しに来たんだったっけ俺?」
<山へ>
博物館から下った所にある湖 左に見えるのが散策路 決まったもんは仕方ないと他の人に動揺を悟られないように普通に歩き始める。博物館から散策路が走っていて湖まで下りられる。湖の脇は湿原になっていて所々に小川や水溜りが出来ている。すすき色の膝丈の高さの草が所々に生え、緑色の殆ど高さのない植物が絨毯のようにびっしり生えていて所々に小さな花が咲いている。
少し歩き湖を見下ろす大きな岩の上で休憩。各自の持っている食料を出す。集まったのはパンが3つ、ビスケットにアメが少々。少しずつ分け合って食べる。足りないが仕方が無い。ゴミを各自持って、いざ出発!
カハスで見かけた植物遊歩道から獣道へ入り道に少しずつ傾斜が出始める。エンヤコラヤと少しずつ上る。少し行くと獣道が途絶え、角度のある斜面に出会う。運動をしている2人は元気だったので先に行ってもらう。そしてよっこいしょと私も彼らに遅れて何とか続く。急斜面あり、足元が砂礫で滑る事あり、棘のある植物ありと幾つもの関門に出会いながら少しずつ上った。
なんとか斜面を上り切り上を見るとまだ高い所がある。ただし道はそんなに険しくない。ゆっくりと歩き始める。少し歩くと頂上へ到着した。標高約4200メートル。高い場所の自己最高記録。日本で2回上った富士山頂よりも約400メートル高い。頂上からは大小様々な湖、バス通り、来る途中に通ってきた建物などが見える。いつも標高2600メートルに住んでいるので息苦しくも頭が重い感じもしない。
撮影会の模様無事に着いたので皆で撮影会が始まる。まるで林屋ペー・パー子みたいにとにかくパシャパシャ。一段落したら休憩。だるそうに寝転がる人や栄養補給と言って酒を飲む人も。ちょっとしてさて行こうと決め下山を始める。この下山道がかなりの曲者。恐ろしい急斜面が続き私の膝が笑い始め全く踏ん張りが効かない。尻餅を何回もつき皆にかなり遅れてかろうじて下山。下りた後に通った道を見上げて皆で一言。「ここは上れないね。。。」 全くもってその通り。
さあ帰ろうとなり歩き始めるが道を間違えて予定より長く歩くはめに。再び雨が降り出し状態は最悪。ポンチョを被って雨をしのぐが首の辺りから胸の方までビリビリと破けてくる。流石、エクアドル産。湖の脇や湿地を歩き、鉄条網をくぐり乗り越えやっと入口まで戻った。きつかったけど良い経験になったな~。

<クエンカへ>
バス通りでクエンカ行きのバスを捕まえる。バスは満員。疲れていたが仕方が無いので立ってクエンカへ。この後、無事に町へ辿り着きカハスへ行っていなかった他の友人達と共にカレー・うどんパーティに参加。全く手伝ってもいないのに評論するなんてもっての外かもしれませんがとってもグッピーな出来でした。たまに食べる日本食はうまいです。そんなこんなでこの日は終了。また行くぞカハス!

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