サイパンに残る南洋興発の遺構   

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2025/03/01

サイパンに残る南洋興発の遺構

 南洋興発は戦前に南洋諸島の開発を行った準国策企業。第一次世界大戦の結果でドイツの統治下にあったサイパン、テニアン、パラオ、マーシャル諸島などが含まれる南洋諸島が日本の委任統治領になった。サイパンでは製糖業を行い島内各地のサトウキビ農園から軽便鉄道でチャランカノアの工場に集めていた。今は失われた工場の煙突は当時のシンボルの様だった模様。現在当時の社宅など残骸が残されている。

戦争にて製糖工場は破壊され跡地にはマウントカーメル教会が建てられている。マウントカーメル教会の裏手に墓地があるその付近が南興神社のあった場所だ。2010年代前半には石鳥居が立っていたが現在は撤去されている。残っているのは石灯籠の脚と石鳥居の基礎のみ。

西側に海がありシュガードックと呼ばれる港から南洋興発の製糖工場で作られた砂糖は積出されていた。今の桟橋はここ1年ほどで新しく造られた模様。太平洋戦争のサイパン戦では米軍はこの辺りから上陸した。上記X投稿の返信に周辺の写真を添付しているので興味があれば。

シュガードックからマウントカーメル教会へ向かう途中の交差点の一画に小さな石碑が複数設置されている。米軍のチャランカノアの上陸を阻もうとした大隊、太平洋戦争で亡くなった人々の慰霊碑だ。背の高い雑草はなく誰かが手入れをしている模様。

サイパン最大の町ガラパンの外れに砂糖王公園が今も残る。日本統治時代は彩帆(サイパン)公園と呼ばれていた。日本統治時代に設置された南洋興発の創業者松江春次の銅像が残されている。像は戦争でほぼ被害がなかった模様。入口には鳥居が立ち公園内に彩帆香取神社がある。日本統治時代に設置され、戦争で消失、戦後に再建された鳥居、灯篭、狛犬、拝殿があり一番奥の階段の上に石造りの小さな社が鎮座している。その他、南洋興発がサトウキビ運搬に利用していた蒸気機関車が展示されている。






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