宿を出たのは六時一〇分前。宿の前のバス停でオリエンタルバスターミナルの前を通る路線バスを待つ。バス近くに病院があるのだろうか看護士が着るような紺の動きやすそうな制服を着た人が何人も通る。一〇分ほど待ってバスは来た。
オリエンタルバスターミナルへ到着
立ち客はいなかったがバスはほぼ満員。雑然としたセントロを抜ける。商店はまだ閉まっていた。セントロの道は一方通行なので複雑な進路を取り東へ向かい二〇分ほどでテルミナルと運転手が叫び、オリエンタルバスターミナル付近に到着した。道路を渡るとバスターミナルだ。屋根はなく舗装もされていない。サンタロサ行きのバスはすぐに見つかったが運転席に誰もおらず動く気配がない。
バス会社のおっさん曰く、出発までかなり時間があるらしい。数年前の情報だと七時前に出発するバスがあるようだったが時間が変わったのか。パンと焼いたバナナに豆で朝食。コーヒーも出てきたが濁ったお湯のようなもので砂糖を入れて少しましにしてから飲み込む。
オリエンタルバスターミナルをようやく出発。車窓から食べ物の露店を
太った女性車掌が運賃を回収に来て、バスが発車したのは七時半だった。人を乗せつつバスは東へ進んだ。乗客の他に物売りもたくさん乗ってくる。途中の幹線道路が眠気覚ましのために小刻みに揺れる加工をしてあるのか、舗装が悪いのか長い区間小刻みで揺れて尻がしびれてくる。(きっと後者)
沿道にある家はレンガやコンクリートブロックで造られた平屋が多く、屋根は茶色い瓦でふかれていた。
いくつも町を経由してバスがサンタロサに停車したのは出発してから四時間一五分後だった。バスターミナルではなく道路で降ろされる。向かいにはピザハットの大きな店舗があった。
サンタロサではバスから道路脇に降ろされる
国境の町アマティージョ行きバスは下車した場所に五分後にやってきた。少し停車し走り出す。バスは大型だったが十数人しか乗っておらずガラガラ。国境付近には大型トレーラーが長い列を作っていた。
バスは国境の数百メートル手前で停車する。イミグレーションまでの道には商店が並んでいる。
エルサルバドルの税関兼イミグレーション
元は白と水色で塗られていたがペンキが薄くなって汚くなっているエルサルバドルのイミグレへ。ここのイミグレはガラスでできたテーブルの下に液晶モニターを寝かせて置いてあるので画面を覗き見ることができる。パスポート番号と国籍を入力すると情報が表示されるようだ。入国と同様スタンプはなし。小さい紙を渡されるのでそれを国境の橋の手前にいる警官に渡して出国完了。
国境の橋からは川に隔てられたエルサルバドルとホンジュラスの両方を眺めることができるが建物などは似たようなものである。
橋を渡ると青とクリーム色で塗られたイミグレーションの建物が見える。こちらはペンキが綺麗に塗られている。列に並ぶが入国の窓口に一〇人ほどの家族が群れていて全く進む気配なし。出国の窓口へ人が呼ばれ私もそちらで入国審査。三ドル払ったらすぐにスタンプをくれた。国境通過に三〇分。
ニカラグア国境のグアサウレ行きのバスを探すがまだ来ていないようだ。大型バスの車掌がこのバスに乗って乗り換えても行けると話していたが一旦グアサウレ行きを待つことに。
マンゴー売りの巨漢のおっちゃんとその仲間
マンゴー売りの巨漢のおっさんに声をかけられ話していてが日本の車や援助していることを知っているようで日本に好意を持っているようだった。売り物の小さいマンゴー二つと袋入りの水をくれた。
グアサウレ行きのワンボックスが到着したのはイミグレを通過してから二〇分後。全く乗客が来ないのでなかなか出発しない。曇っているが風がなく暑い日で、座って待っているだけでも汗をかく。結局更に一時間待ち、一三人の乗客を乗せてやっと発車する。エルサル側国境の町に到着してから一時間四〇分もかかっちまったよ。
出発後、ガソリンを入れ、三輪タクシーで追いかけてくる客を待ちタイムロス。まだ一四時過ぎだから大丈夫だと思うが一七時半には国境が閉まるとガイドブックに書いてあるんだよな。早く着いて欲しいわ。この後も道路工事で片側交互通行、遅い車の後ろでノロノロ運転などありなかなかペースが上がらない。
アマティージョからグアサウレへ向かう途中に渋滞に遭遇
途中の町で運賃を集めていたヨボヨボの爺ちゃんが下りるとようやくペースが速くなる。これは良いぞと思ったら再び長い渋滞にはまり全く動かなくなる。この渋滞を抜けるのに三〇分かかったのだが原因は工事車両が阿呆な場所に停車していて道に一台しか通れる隙間がなかったこと。最初は全く動かなかったのでこれでも少し動かして通れるようにしたのではないか。停車スペースは潤沢にあったのでもっと考えて止めて欲しいわ。それができないから途上国なのだろうが。
アマティージョを出発して既に一時間半。距離的にはまだ三分の一しか進んでいないぞ。今日中にニカラグアに入国できるのか。
ホンジュラスから見る車窓は緑はあるがエルサルと比べれば少なく、白っぽい土の色が印象に残る。運転手は安全運転でペースは上がらず。グアサウレまであと三〇キロ程の道で反対方向から来た車から降りてきた運転手と交代。元の運転手は来た方向に戻っていった。更に道路工事で何度も足留めを食らいグアサウレに到着したのは一七時一五分だった。三時間一五分の道のり。
予想よりだいぶ遅れて国境のグアサウレに到着
自転車タクシーが乗ってけと群がってくる。断って先の国境へ。ここも大型トレーラーが行列を作っていた。ホンジュラスのイミグレには数人の列ができていた。両替のおっちゃんが声をかけてきて一ドル=三〇コルドバと比較的良いレートだったので一〇ドル両替。(後でわかったがレオンで両替した方がレートが良い)公定レートだと三二弱。出国税はなくスタンプを捺してもらいニカラグアへ向かう橋へ。
日本の援助で建てられた国境の橋
この橋の上には日本の援助で造られたことを示す看板がいくつも掲示されている。橋の上にいた男に日本人かと聞かれそうだと答えると看板を指さしていた。橋の下の川は枯れていてた。
橋を渡るとニカラグアだ。イミグレーションの制服を着た男にパスポートチェックを受けニカラグアではどこへ行くか、何日滞在するか聞かれた。チェックを終えると百数十メートル離れたエメラルドグリーンに塗られたイミグレで入国手続きをする。
私が手続きをしていたら他の係官が別の男を連れてきて割り込まれる。どうやら入国税の一二ドルが細かい札がないので払えないとだだをこねているようだ。その間待たされる羽目に。両替してくると言って男は出て行きようやく再開。手続きだけで一五分もかかっちまっったよ。今日は巡り合わせが悪くていかんな。
ニカラグアのイミグレに到着したのは一七時半を少し過ぎてから。窓口が閉まる気配は無かった。さすが○球の迷い方。
ATMの看板があり行ってみたがVISAカードしか使えないようだ。持っているけどいつもマスターだからここでは止めてレオンで引き出そう。
最後にまたイミグレの制服を着た男にパスポートのチェックと幾つか質問を受けた。ニカラグアの入国はくどいな。すぐにパスできるから良いけど。
国境を越えニカラグアへ。あまり賑わっていない
国境エリアを抜けると小さな集落がある。時間は一八時少し前。太陽がだいぶ傾いていた。更にまっすぐ進むと左側からボンネットバスがやってきて身を乗り出した車掌がレオンと叫んでいる。乗り込むと左右に三人用と二人用の狭いベンチシートを配置した典型的なチキンバスだ。
走り始めて少し経つと夜になり真っ暗になる。一時間超でチナンデカの町に入りバスターミナルには立ち寄らずレオンへ向かう。次に町に入ったらレオンだ。大通りから細い道に入りバスは停車する。この時二〇時一〇分。国境からは二時間強か。
周辺は市場になっているようで誰もいない木製の小屋が並んでいる。足下にはゴミが散乱している。自転車タクシーが乗っていけとうるさいが断り、歩く。
人気のない道を歩いてセントロへ向かう
街灯はあるが所々暗い場所がある。人や車通りは多くはないがある。もう一ヶ所人気のほぼ無い市場を通り抜けて、目星を付けていた宿に到着した。エルサルバドルの宿を出発してから約一四時間半。長かった!
宿はHostal Volcan一泊六ドルで八人用ドミトリに通される。ドミトリにトイレとシャワールームが付いている。シャワーは水のみ。暑いので問題ない。広い中庭がありハンモックや椅子が設置されている。食堂もあり出かけるのが面倒だったので夕食を食べることに。二ドルで肉と野菜の煮込みに小さいパン二枚。量は少なかったが味は良い。ちなみに少量のヨーグルトとシリアルとフルーツの朝食付だった。
疲れていたのでシャワーを浴びて二二時前には就寝。
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