午前中は旧市街のカスコビエホまで三キロほどの道のりをセントラル大通りに沿って歩いて向かう。この道の左右には汚い商店が並んでいる。新市街には高層ビルが建ち並んでいるがこの辺りは高いビルはほとんどなく、他の中米の国と変わらない印象だ。
歩行者専用道路で色鮮やかな民族衣装を着た人々を見かけた
途中から歩行者専用道に変わる。道の脇には宝くじを売るおばちゃんが並んでいる。パナマは先住民との混血のメスチソと黒人との混血のムラートの割合がほぼ同じか後者の方が少し多いような気がした。頭に布を巻いて、色鮮やかなツーピースの民族衣装を来たインディヘナも歩いていた。
子供で賑わうサンタアナ教会の前にある公園を過ぎると街並みが突如綺麗になる。カスコビエホに入った。所々に警官が立ち、目を光らせている。
カスコビエホの教会の中から神輿が現れた
カスコビエホの各所に地図がありおすすめ散策路が記載されていたのでその通りに歩いた。教会の中から子供の集団と一緒に御輿に担がれた天使の像が現れ、子供たちに先導され行列が始まる。すぐに視界から消えていった。
海賊の略奪を免れた黄金の祭壇のある教会
猫が多く、近づくとこちらを警戒して睨んでいる。所々、修復工事中で鉄パイプで足場が組まれている。特にカテドラルが修復中で入れなかったのは残念だった。海沿いからは長い橋とその先に新市街の摩天楼が見える。黄金の祭壇が残る教会では日本人ツアー客と遭遇。声はかけなかったが記念写真の好きな人達だった。
植民地時代の海沿いのコロニアル都市を見たければ訪問すれば良いと思う。コロニアル都市はもう食傷気味という旅慣れた人であれば無理に訪問しなくて良いと思う。
再び歩いて宿まで。近くまで戻ると雨がポツポツ降ってきた。宿に到着後にザーザー降りになる。買ってあった日清の袋麺と生卵で昼食。火力が弱いので中途半端な出来になった。
昼寝して雨が上がるのを待っていたら一五時前。しまった、ゆっくりしすぎたとパナマビエホへ向かう。Google Mapに従いバス停で二〇分ほど待っていたが、バスが全く来ない。いつ来るかわからないものを待ち続けるのもバカバカしいのでバスターミナルまで行って乗り換えることにした。
バスターミナルで声をかけられ写真を撮ったバス会社の制服を着た兄ちゃん
バスターミナルで制服を着た人に聞けばパナマビエホ行きバスの発着場を教えてくれる。バスはすぐにやってきて一〇分ほど停車し動き始める。途中、日本の援助で建てられたのか日本の国旗が描かれた看板のある魚市場の前を通過する。高層ビルの立ち並ぶ新市街の中には京セラというバス停があり、目の前に京セラのオフィスがあった。
バスはパナマビエホの近くを通り過ぎ、少し離れた場所で停車した。歩いて戻り、車がビュンビュン走る片側二車線の道路を渡り、パナマビエホの入口に到着する。
パナマビエホから見たパナマシティの新市街
パナマビエホは一六世紀にスペイン人が造った町で一七世紀にイギリス人の海賊に破壊されるまで使われていた。破壊された後に造られたのが午前中に訪問したカスコビエホだ。そのためパナマビエホは遺跡と博物館が残っているだけである。
入場料は一五ドル。入口は西の外れにあるため博物館のある中心部までは数百メートルある。移動には数十人が乗れる電動カートも使えるようだったが無人だったので歩く。
道は砂利で舗装されていて遺跡には芝が植えられ緑が鮮やかだ。崩れた壁のみ復元してあるのがほとんどで、塔や教会といった一部のみ復元されている。どのように道が通っていて、どこに建物があったかを把握するには充分だ。
塔の上からパナマビエホを見下ろす
塔に上って遺跡を上から眺められる。少し先には高層ビルが建ち並んでいて新旧のコントラストを感じられる。
一七時過ぎに博物館に入ったらもう閉館済みと言われた。入口で一七時半までと聞いていたのでおかしいだろうと抗議すると中に入れた。早く帰りたいのはわかるが入場料取ってるんだから仕事しろよ。途上国はこういう下らんことで抗議しないとダメだから面倒くさいわ。
博物館内に展示されている往時のパナマビエホのミニチュア
展示はスペイン人侵略前の土器や墓など、パナマビエホがどう作られ破壊されたか、往事の調度品などが飾られていた。遺跡を見学するにあたりパナマビエホの復元ミニチュアは見ておくと当時をイメージしやすくなると思う。
アルブロックのバスターミナルで見た夕焼け
まだ乗っていない地下鉄に記念に乗ってみようとメトロバスでアルブロックのバスターミナルへ戻る。空港までのバス代を考慮してICカードにチャージ。バスターミナルの上を横断する通路を歩いて地下鉄駅へ向かう。ちょうど夕暮れ時で空が赤茶色に焼けて、地上に停まっている白いバスにその色が弱く反射していた。
地下鉄駅には改札しかないのでICカードとチャージはバスターミナルで事前に済ませておく必要がある。カードを当てると自動改札が開く。地下行きのエスカレーターを降りるとホームが左右に二本ある。
パナマシティの地下鉄車内
丸っこい車体には紺、オレンジ、グレー、白でラインが引かれている。車内には進行方向横向きのクッションなしのプラスチック製ベンチシートがある。吊り輪はなく、鉄製の手すりが縦に伸びている。普通に綺麗な地下鉄だ。
二駅先の宿の最寄り駅で下車。既に時間は一九時で夜になっていた。夕食のため昨日、一昨日に入ったレストランへ向かうが閉店済み。近くにあったファーストフードのチェーン店でライス、サラダ、チキンのセットを頼んだらメニューの写真と違うしょぼいのが出てきた。これで昨日、一昨日より高いのだから参るよな。
宿で明日五時前に出発すると伝えると二四時間必ずフロントに誰かがいるから心配するなとの回答。途上国で大丈夫だというコメントを聞くとつい心配になるのは私だけだろうか。
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